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学生さんの成績は自分の成績でもある

今日、大学の講義の期末試験が一つ終わりました。やっぱり学生さんの出来が気になります。試験の結果はある意味では自分の授業の成績でもあるので、試験の出来が悪いときはいつもちょっと落ち込みます。近いうちに採点を済ませて、今回の講義の反省をしようと思います。

 

来週は解析力学の講義の最終回があるので、これからその準備をします。もう1月も終盤に入ってきましたが、講義の準備に追われてまだ研究の方はスタートできていません。研究活動は再来週ぐらいから始動する予定です。

ポアッソン括弧

今日は、解析力学の講義でポアッソン括弧の話しをしました。さて、このポアッソン括弧、物理の話しだと思って解説を聞いていると、一体何がやりたいんだろうという気持ちになってきます。ぼくが学生の頃に解析力学を勉強したときは、ポアッソン括弧あたりで脱落してしまい、解析力学への興味もすっかり失ってしまいました。

 

なぜ解析力学にポアッソン括弧が登場するのかというと、ポアッソン括弧という演算を定義しておくと、計算が簡単になったり、計算の見通しが立ちやすくなるということであって、物理として特に新しい概念が導入されるわけではありません。誤解を恐れずにいうと、要はポアッソン括弧は数学の話しなわけです

 

大学の物理の講義では、特に解析力学がそうですが、しばしば物理理論で必要となる数学の話題が出てきます。これはぼくの個人的見解ですが、多くの学生さんは、物理を学んでいるとき、頭の中が物理と数学でごっちゃになっているような気がします。そして、これが物理の理解を妨げる一つの要因だと思っています。物理を勉強している学生さんへのアドバイスですが、今自分が勉強している内容が、物理なのか数学なのかを意識しながら勉強してみて下さい。そうすると、かなり頭の中が整理できますので。

講義の準備が捗らない

解析力学の講義は、残りの2回で「ハミルトン形成の解析力学」をざっと説明して終わる予定です。さて、この「ハミルトン形式の解析力学」、なかなか解説が難しくて講義の準備に手間取っています。「ハミルトン形式の解析力学」は、量子力学統計力学との関連から重要な内容だとは思うのですが、古典力学の問題を解くという観点からは今一つその使い道というかメリットがはっきりとしません。もちろん、プロの物理学者にとっては有用なツールだと思いますが、一般の物理ユーザーにとっては少し数学的すぎる気がします。ラグランジュ形式の方では、応用例を示して具体的な使い方を解説してきたのですが、ハミルトン形式の方は、ぼくの力不足のため、抽象的で数学的な話しになってしまいそうです。

自然科学における物理学の位置づけ

最近は、物理が不人気ということもあって、ときどき物理を学ぶことの意義について考えたりします。ぼくは、物理学は全ての自然科学の土台となる学問なので、すくなくとも理系志望の若者は必ず物理を学んでおくべきだと思っています。今日、ネットサーフィンをしていたら、物理学という学問がどのようなものなのかが分かりやすく解説されている素晴らしいページを発見しました。以下の信州大学工学部の物理の講義のページです。

さあ始めよう「物理現象論」の講義を

このページの中で、物理学が、化学、生物、地学など他の学問の基礎であることが解説されています。そして、工学は、そのもう一段上の階層に位置づけられています。そして、特に重要だと思ったのが、物理学について述べている次の一文。

研究の対象が決まっている学問ではなく,「研究の方法」や「考え方」によって特徴づけられた学問

つまり、物理学を通して身につくのは知識というよりも思考方法だということです。物理学における思考方法を学ぶことは、理系文系の枠を超えて意義があるように思います。

最近の高校の課程では、物理は必修になっていません。高校の学習指導要領をつくるときに、このような物理学の自然科学における位置づけは全く認識されていなかったのでしょうか?物理がその他の理科の科目の基礎となることを認識していたなら、少々内容が難しくても基礎物理ぐらいは必修にしておこうと考えるのが普通だと思うのですが。

今年から研究スタイルを変えてみます

実は、今年からちょっと研究スタイルを変えようと思っています。具体的に言うと、実験研究から理論研究へと軸足を移そうと考えています。ぼくは、長らく実験家としてやってきたのですが、色々な理由で実験を中心に研究をすることが厳しくなってきました。
理由の一つは、研究指導をしている学生さんがいないこと。実験は体力勝負なところがあるので、体力のある学生さんがいないと、なかなか研究が捗りません。
もう一つの理由は、研究費の問題です。実験をするには何かとお金がかかりますが、最近は研究資金をとってくるのが容易ではありません。ぼくが一番恐れているのは実験装置が故障したときのことです。故障すると当然修理が必要になりますが、この修理費用が結構な額になる場合があります。もし自分の研究資金から修理費が捻出できないとなると、装置は修理することができず、研究を継続することが非常に困難になります。ですので、実験に依存した研究をするというのは、今のぼくにとっては非常に大きなリスクなのです。
上で述べた二つの理由はネガティブなものですが、実はポジティブな理由もあります。それは、ぼくが本来は実験をするよりは現象のモデリングに興味があったからです。これまでは実験の傍らで理論的なことも少しだけやっていたのですが、この際、理論研究を中心にしようと思ったわけです。理論研究だと、(能力があればの話しですが)研究テーマも自由ですし、お金もそれほどかからないし、いいこと尽くしです。ただ、この歳で実験家が理論家に転身したという話しはあまり聞いたことがないのでかなり無謀なことをやろうとしているのかもしれませんが、自分の能力と相談しながらできることをやっていこうと思っています。

講義の準備

今年から担当している解析力学の講義も残すところ後三回となりました。初めての講義ということで、あれこれ試行錯誤しながらの講義になっています。今日も、明日の講義内容を考えながら、ずっと講義ノートを作成していました。
残り三回でハミルトン形成の解析力学をやります。明日の講義では、ルジャンドル変換あたりから、じっくりと解説することにしました。ルジャンドル変換などの解析力学で出てくる数学は、熱力学や量子力学など様々な物理理論の中で必要となってくるので、解析力学の中でしっかりと学んでおきたい内容です。実は、今回解析力学の講義をしてみて、このことに初めて気づきました。恥ずかしながら、学生時代に解析力学の講義を受けたときは、そんなことは全く分かっていませんでした。解析力学は、抽象的でとっつきにくい科目ではありますが、物理を学ぶ人はしっかりと学んでおくべき科目ですね。解析力学をしっかり学んでおけば、後の勉強がかなり楽になると思います。

新年を迎えて

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年を迎え、今年も何か新しいことにチャレンジしようとあれこれ考えているところです。大学で仕事をするようになってから10年くらい、毎年毎年同じような事を繰り返していたように思います。しかし、40代になった頃から色々な壁にぶつかり、何事もさっぱり先に進まなくなっていました。研究に関していえば、新しい研究成果が出なくなり、興味を惹かれる新しいテーマも見つからないという感じです。

そして、ようやく変化が必要だということに気付き、ここ数年は毎年何か自分の生活に変化を持たせることにしています。今年は、久しぶりに論文を書いてみようと思っています。去年も、共著での論文は出たのですが、私自身の研究テーマの論文ではありませんでした。今年は自分の作品と言える論文を書こうかと思っています。

それから、このブログ(日記)も再開してみることにしました。自分の日々の活動や思考を書き留める作業は、飽きっぽい性格のぼくが仕事を着実に進めていくために必要なことだと思ったからです。ただ、論文執筆やブログを再開すると言っても、決して元の状況に巻き戻すつもりではありませんので。