ステップの緩和

後藤君が非solid-on-solidの模型でのモンテカルロプログラムを組んでシミュレーションしたところ、深く窪んだステップ形状が熱緩和するとき、窪みの底の部分が膨らんでくるという結果を得たらしい。そうすると、solid-on-solidステップ模型でのシミュレーションでみられた、窪みの底が尖ってくる現象も、アーティファクトでなく本質的なものと考えたほうがよさそう。そう思って実験結果を見直すと、実験でも似たような傾向が出たいたので正直驚いた。この結果は、窪みのあるステップが緩和するとき、過渡的にステップの全長が長くなるということで、かなり特殊な振る舞いである。実は、シリコン基板上に形成したトレンチが熱緩和する時に、表面にうねりが生じ全体として表面積が増えるような構造変化が起こり、表面拡散で構造変化が起こる場合の特異な現象として興味を持っていたのだが、似たような現象がステップの緩和でも起こるみたいである。こういうところで、偶然二つの独立した研究が接点を持ったことはかなり刺激的である。